ひろめよう合掌の心
人間万事塞翁が馬
年も明けました令和3年正月6日。未だ収束の見えない新型コロナウイルス感染拡大を続けていますが、どうやら政府は明日から1都3県に対し緊急事態宣言を発令するということですが…この先の不安は怖ろしいかぎりであります。
宗祖日蓮聖人は、『重須女房御返事(十(むし)字(もち)御書)』に、「めでたい正月に法華経お題目に想いを寄せたならば、木々の花はほころび、池の蓮は蕾をつけ、暗き世に月の光は大地を照らすがごとく幸いの兆しと思えましょう。つづいて、今、日本は法華経に背を向け、禍(わざわい)を千里の外から招き寄せていることをご存知か!今ここで法華経の題目を信じなければ幸いを呼び戻すことはできないでしょう!」と仰せになっています。
表題の中国の故事は、人生には幸不幸は予測できないこと。災いは転じて幸いを招き、幸はいつか不幸に変わることがあるのだから、安易に喜んだり、悲しんだりするべきではないという教えがあります。
先の見えないこの世の中で、一時の我慢が明るい社会と人々の幸いをもたらすのです。それには何よりも今この時が大切な時と言えましょう。
私たちが今ここに在る場所は「仏土」仏の国土です。すなわち浄土でなくてはなりません。一人ひとりの心がけが無ければ、社会のつながりはできません。どうか、心してまず自分自身の心を見つめてみましょう!
合掌
※「人間万事塞翁が馬」
中国の古い時代、ある村で馬が逃げた。長老は「その内福は来る」と言った。しばらくして逃げた馬が他の馬を連れて帰ってきた。「これは、不幸の元になる」長老は言う。案の定、連れてきた馬の村が攻めてきたのだった。戦いは敗れたが、この時病気だった長老の息子は難を逃れ助かり、やがてこの息子がこの村を幸せに治めることとなる。
令和3年1月 日蓮宗静岡県中部宗務所長 塚本智秀
日蓮宗静岡県中部宗務所
テレビコマーシャル
中部宗務所では、「ひろめよう合掌の心」をスローガンに、引き続き「日常の五心」を徹底し、常不軽菩薩の合掌・礼拝に至らしめるよう管内に呼び掛けていきたい。具体的には常不軽菩薩品二十四字の暗唱を推奨し、また、管内全寺院が日蓮宗新聞の購読をするように呼びかけていき、宗門運動推進の意識を高めていただき、「能化としての自覚」を持って教化活動に励んでいただきたい。
宗祖降誕800年に向けては、企画委員会を中心に推進をはかり、滞りのないよう次期体制に引き継ぎたい。