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甚(はなは)だ怖畏(ふい)すべし!

これは、法華経の一節です。この文の前に「三界は安きことなし。なお火宅のごとし。衆苦充満して甚だ怖畏すべし…」とあります。

精神病理学という研究に「怖れ」と「不安」ということの違いを学びました。人間は怖ろしいことに目を背け、耳を塞ぎます。しかし、「怖れ」の対象となるその怖ろしいモノを排除してしまえば、怖れは無くなるといいます。しかし、「不安」とは実に厄介なモノなのです。これを専門的に伺うと「不安」とは、

1、漠然とした未分化な怖れの感情

2、内的矛盾から発する対象のない情緒的混乱

ということです。

今、世界は新型コロナウイルス感染拡大阻止に向け真剣に対峙し、元の生活に戻ろうと必死になっています。この面倒なウイルスこそ人類を脅かす深刻な「不安」となっているのです。

冒頭のお経文ですが、私たちの苦しみの多いこの世の中を、火宅(管理の行き届かない大きな家に沢山の子どもが遊びに夢中になっている。ある時、突然この家から出火するが、その恐ろしさに子どもたちは気がつこうとしない。)に譬えています。この譬えこそ怖れるモノへの「不安」を識ろうとせず、好き勝手に興じて「不安」という真実の怖ろしさを直視できない私たちと、日本の今の状況を法華経は占っているのです。

つまりこの一節の結びに「甚だ怖畏すべし」とあります。「甚だ」とは、その程度をはるかに超えている状態、非常であるさまを云います。「怖畏」は、畏怖と同義ですからおそれおののくこと。しかも「怖」と「畏」どちらも、おそろしいということであり、この文字を重ねることで「おそろしく、おそろしい」という未曽有の状況であることを訴えているのです。また、『妙法蓮華経』を翻訳された鳩摩羅什の意(こころ)を察するに、「怖畏」とは、「畏(かしこ)まって、怖(おそ)れる」ことと受け留めなければいけない、そんな気がする今の心境です。

令和2年4月 日蓮宗静岡県中部宗務所長 塚本智秀

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