2026.10.1
教箋

知恩報恩

日蓮聖人は、様々なご文書の中で
「恩を知り、恩に報いなさい」
とお示しになられました。
私たちは日々の暮らしの中で、家族や友人だけでなく
自然環境や社会の仕組み、
そして一度も会ったことのない無数の人々の営みによって
数え切れないほどの支えを受けて生きています。
「知恩」
とは、そうした目に見えない大きな支えの中で
私たちが生かされている事実に気づくことです。
そして、もう一つ大切なことがあります。
多くの支えを受け取っているあなた自身もまた
日々の仕事や家事などを通して、身近な人だけでなく
顔も知らない誰かの暮らしを支える一人になっているということです。
「報恩」とは、単なる恩返しのことではありません。
自分もまた大きな支え合いの輪の中にいることを知り
自分の持ち場や日々の営みを、誠実に、大切に全うしていくこと。
それこそが、支えてくれているすべてのものに対する
確かな恩への報い方なのです。
十月十三日は、日蓮聖人のご命日です。
この時期、日蓮宗の寺院では
恩を知り、恩に報いる「報恩」の法要として
「お会式」
が執り行われます。
みなさまもこの機会に、今一度
日々の生活のありがたみに思いを向けてみませんか。